駅名標のDesignについて

駅名標のDesignについてです。
駅名標とは、ホームに設置されている駅名が入った案内看板のことです。

はじめに、駅構内のサインシステムの役割を整理することから始めました( 発車標のDesignについて 参照)。
大きな分類としては、発車標、構内案内、駅名標に分けられます。
ちなみに発車標とは、駅で電車に乗る前に確認する、電車の行き先や時間が表示される電光掲示板のことです。
発車標は「電車に乗る前」に確認するもの、構内案内は「電車に乗る前と降りた後」に確認するもの、駅名標は「電車から降りる前」に確認するものと整理しました。

実は駅名標の方が発車標よりも早い時期に製作し始めました。
いわゆる「もじ鉄」という言葉を知ったことがきっかけで、通学に使っている駅の駅名標を丁寧に眺めるようになりました。
そうしているうちに「どうして駅名標には隣接する駅名が入っているのか?」という根本的な疑問が生じ、突き詰めた結果、上に書いた「駅名標は電車から降りる前に見るもの」という結論に達しました。

これを踏まえて、具体的に電車から降りる場面を整理しました。
1. 次が降りる駅か確認する(駅名標・車内表示・車内音声)
2. 降りる駅に到着する
3. 電車を降りる
4. 改札あるいは乗り換えホームに向かう

すなわち、駅から降りる際に提供されるべき情報は
1. 現在駅
2. 次の停車駅
3. 乗り換え可能路線
です。

あとはこの情報を、いかに整理して表示するか。

具体的なDesignを、Version 6.0 を例に説明します。

一方向(右)に普通電車が発着するホーム

2方向に電車が発着するホーム(電車が停車していないとき)

2方向に電車が発着するホーム(下りの普通電車停車時)

2方向に電車が発着するホーム(下りの快速電車停車時)

ダークグレー地に白文字のDesignが基本です。
駅名標部分と乗り換え案内部分は別パーツで、それらを組み合わせて設置するシステムになっています。

上から見ていきましょう。

一番上には現在駅名を示しています。
フォントは発車標同様IPAexゴシック(ボールド)です。
左から、駅ナンバリング・特定市区内(該当するJR駅のみ)・駅名(漢字表記・英語表記)となっています。
ナンバリングのルールは独自に決めたもので統一しています。
アルファベットは原則一文字目が事業者、二文字目が路線名を表し、数字は1始まりです。
またナンバリング枠の色は路線に対応しています。

その下に路線カラーのラインがあります。
両端が矢印になっており、そのホームに来る電車の進行方向を示しています。

その下に次の停車駅を示しています。
単純に次の「駅」ではなく、「停車駅」なのがポイントです。
日頃、快速列車を利用することが多いのですが、こういった電車に乗っているとき、「停車駅の駅名標に示されている次の駅」が何の役にも立たないことが気になっていました。
次の駅が通過駅だった場合、駅名標では次の停車駅がわからないからです。
そこでこのDesignでは、2方向に電車が発着するホームや、普通以外の種別の電車が発着するホームでは、この部分をLCD化することにしました。
電車が停車していないときには両方向の次の駅を表示し、電車が停車しているときには次の停車駅を柔軟に表示します。

その下に乗り換え可能路線を示しています。

全体のレイアウトは、国鉄のものに代表される「T字型」という、当駅名の下の左右に次の駅を表示するタイプです。
それぞれの駅名が長くなっても対応できるほか、LCD化にも有利です。

そのほか重要な点として、駅名に関する要素の並び方があります。
当駅、次の駅すべて同じ並び(左から駅ナンバリング・特定市区内(該当するJR駅のみ)・駅名(漢字表記・英語表記))です。
わざわざアピールする必要ないのでは?と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこのようになっている ものは極めて少ないです。
当駅だけ駅ナンバリングの位置が違っていたり、次の駅の表示がそれぞれ左揃え・右揃えになっていたり、多種多様です。
その中でなぜ並びを統一したかと言えば、日本語も英語も左から右に読むという方向があるからです。
当駅を中央揃え、左隣の駅を左揃え、右隣の駅を右揃えにしても、読むのは左からなのです。
つまり、中央揃えと右揃えでは読み始める位置が揃いません。
これは読みにくい。
なぜすべての路線が左揃えにしないのか不思議です。
ちなみに左揃えの路線としては、福岡市地下鉄や、つくばエクスプレスなどがあります。


以上が今回の駅名標Designの概要です。