折り紙の思想による分類


り紙の人たちというのは、折り紙自体がマイナーな趣味であることもあり「折り紙をしている」というだけですべてわかり合えると考えがちなように思います。
私はそうでした。

しかし絵画や音楽などを見ればわかるとおり、本来こうした表現ジャンルというのはあくまで手段で、その背景にある思想が重要です。
思想が合わないと同じ音楽家でもわかり合えないことがあり得ます(よく知りませんがクラシックの人とポップスの人はなかなかわかり合えないでしょう)。
思想というと大げさだと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、それのどこが好きなのか、どういう目的でそれをしているのかということです。

絵画や音楽は長い歴史をもっているので、「印象派」「リアリズム」などの派閥が名付けられ、存在しています。
しかし現代折り紙はまだまだ歴史が浅いためか、こうした派閥ができていません(できていないというよりも認識され、名付けられていないという方が正確な気がしますが)。

そういうわけで、折り紙による表現における思想を分類することを試みてみます。
あくまで「思想」での分類が目的です。

思いついたままのメモ書き程度のものなので、深い考察などはしていません。
どんどん加筆修正していきたいと考えています。ご意見などお待ちしています。

以下、私による分類
(当然)順不同

写実主義
  • 完成形におけるリアリズム
  • 作品に見られる特徴:展開図に現れずかつ基準のない折り・曲げが多い
抽象主義
  • 写実主義の対義
  • 完成形を幾何形状ととらえない
  • 作品に見られる特徴:細かい修正折りが施されている場合がある
思想主義
  • そのままでは造形できない思想を形にする
  • 印象
  • 作品に見られる特徴:他の分類と見分けにくい場合がある、主題が何であるかが重要
素材主義
  • 可能な限り紙を折らずに表現する
  • 「紙」という素材の特性を生かす
  • ある種類の紙に特化した造形
  • 作品に見られる特徴:極めて単純な折り・曲げで構成される
平面幾何主義
  • 目的とする単位オブジェクト(カド)集合体を設計
  • 展開図において角配置・紙の使用効率などを重視
  • 作品に見られる特徴:展開図が主題である
立体幾何主義(折りたたみ重視)
  • 完成形を平面の折りたたみによる3次元立体とみなす
  • 構造線の制御を行う
  • いわゆる「折り紙らしさ」の追求
  • 作品に見られる特徴:展開図に含まれない折りが少ない、ぐらい折りの排除
立体幾何主義(完成形重視)
  • 完成した幾何形状を重視
  • 作品に見られる特徴:完成形が明確な幾何形状を持つ、ユニット作品など
表面技法主義
  • 造形の最終段階で施す折りにおける技法を追求
  • 作品に見られる特徴:折ることが目的である構造線以外の線が見られる
内部技法主義
  • 造形の最終段階までにおける技法を追求
  • 基本の折り技法
  • 作品に見られる特徴:折りの精度が高い
流れ主義
  • 完成までの造形の流れを重視
  • 作品に見られる特徴:ぐらい折りが少ない、工程数の多い折り図が存在する


注:構造線:基本骨格を形成する際に(すなわち、展開図を畳んだ際に)表面あるいは輪郭に出てくる線のこと。アンオフィシャルな言葉なので使用にはご注意を。

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