折り紙で表現するということはどういうことなのでしょうか。
それは紙を折るだけでかたちをつくるという制限を課すことだ、と言われます。
たしかに表現の世界では、ある制限を課すことで何かを際立たせることがよくあります。
折り紙の場合、紙を折ることそのものや独特の技法によって、直線と曲線が混じり合った特徴的なかたちが生み出されます。
アジアゾウ(原作神谷哲史)。アレンジは入っているものの、最低限の直線・曲線で構成されている |
しかし一方で、制限を乗り越えることを目指す方向もあると思っています。
たとえば大理石製であることを忘れてしまうような、柔らかい布や人の肌を表現した彫刻は、硬い石材からつくりだしたからこそ人に驚きを与えるのです。
紙を折っただけなのに本物にしか見えないリアルな作品。
同じことを折り紙でやっていけないわけはありません。
これだけは堂々と言っておきたいことです。
サモトラケのニケ(原作中井努, アレンジ私)。 |
紅葉(原作霞誠志)。抽象化がうまくいっている作品はひと手間加えるだけで写実的になる。 |
バーバリーシープ(創作私)。輪郭の正確さは譲らない。 |