エンシェントドラゴンにみる精度と感性



エンシェントドラゴン

原作: 神谷哲史

エンシェントドラゴンは、完成形が美しいだけでなく、高い技術力を必要とする作品です。
今回は過去に折った個体を振り返ってみます。


初号機 (2007)
用紙: 55cm 上質紙


中学1年生の頃に「神谷哲史作品集」を手に入れ、無謀ながら最初に挑戦したのがディバインドラゴンとこのエンシェントドラゴンでした。
もちろん結果はさんざんなものでした。
ようやく完成させることができたのは確か3回目くらいの挑戦だったと記憶しています。
いちおう形にはなりましたが、腹の部分の沈め折りなど、自分が何をしているかよくわからないまま進めたと思われる箇所があります。
また紙もこの作品には小さいものでした。


2号機 (2007?)
用紙: 79cm 上質紙


紙のサイズを用意できるもので最大の79cmにし、再挑戦しました。
顔や角が長くなりました。
また尾に針金を仕込んで形を保ったのは初めてだと思います。
しかし紙が分厚いせいもあり、脚は太く短いものでした。
折り手順も完全には理解できていませんでした。


3号機 (2008)
用紙: 79cm 上質紙極薄口(正確には不明)


大きな転機になった個体です。
顔がさらに長くなり、角は先が鋭くとがりゆるやかな曲線を描くようになりました。
ここにきてようやく決定版ができたと当時思いましたね。
最後の仕上げに時間をかけるようになったのもこの頃からだったかもしれません。


4号機 (2011)
用紙: 15cm ホイル


神谷さんのサイト内にある掲示板 "A.D.BBS" で15cm で折られたものを見かけ、挑戦したものです。
想像したものより綺麗にできて歓喜しました。


5号機 (2011)
用紙: 90cm 包装紙


文化祭での展示用につくったもの。
薄いうえに折りが戻りやすい紙だったのであまり綺麗に折れていません。
ただ、脚は非常に長く折り出せるようになりました。
これは脚の段折りなどに無駄がなくなってきていることを示しています。


Mark.6 (2013)
用紙: 55cm 上質紙極薄口


初号機と同じ大きさの紙ですが、全く別物の作品に見えます。
仕上げに相当の時間をかけるようになりました。
角と翼の曲面に注力しています。


7号機 (2014)
用紙: 79cm ビオトープ


現時点での技術の粋を結集した最高傑作です。

写真(上)折った時の姿

写真(下)後に仕上げ作業を追加した姿



8号機 (2014)
用紙: 39cm ビオトープ


小さい紙でがんばりました。


初めて完成させた時から7年。
折りの精度は向上し、どのような形にしたいか想像する感性も磨かれてきました。
これからどうなっていくか楽しみです。